壮絶な夫婦喧嘩その2

主人に浮気され言い合いの末にDVされ

客観的に見ても私は悲劇のヒロイン確定だろう。

離婚するのは紙切れ一枚で簡単。

でも私は主人をこれからどう苦しめようかだけ

考えるようになっていた。

 

勢いで主人が私に手をあげたせいで

私の首には激しめの擦過傷とアザができ、

子供を迎えに行った先の義母にすぐ

「首の怪我どうしたの?」と聞かれた。

ごまかすにも限界があると思ったので

「息子さんと口論になって首絞められました」と言うと

さすがに義母は絶句。しばらくして

「悪いのは全部息子。

 本当にごめんなさい。」と言っていた。

私は「そうですね」としか言えず子供を家に連れ帰った。

 

家に帰ると主人がいたので

「子供の前では普通にして」と言うと

「わかってる」とだけ言いつつ私とは目を合わせない。

これから地獄のような家庭内別居が始まる。

 

最初から協力してくれていた友達の

Rとまなちゃんには簡単に経過報告のLINEを入れると

「大丈夫!?一緒にいない方が良くない?」

「子供だけじゃなく自分の身も守って下さいよ!」

「それにしても最低男だな」

「どんどんイメージ悪くなるわ」

などなど私と主人の様子を心配した様子で

いつものようにすぐに返信があった。

 

この返信に対して私は

「とりあえず冷戦状態が続くと思う」

「経過報告するからまたお願いします」

と返信した。

ここまで冷静にいられた事に自分でも驚いたが

これからどう状況が変わっても対応できるようには

しておかなければならないと

気をしっかり持つように自分に言い聞かせていた。

 

子供がいる手前、普段通り子供を挟んで一緒に寝るが

子供が寝付くと主人はすぐに起きて別室に行き

夫婦が一緒の空間で寝る事はなくなった。

朝に主人を起こす事もなくなり

主人のお弁当も作らず洗濯もしない日が続いた。

私にとってこの生活は

子供と自分の事を考えれば良いので

離婚後の生活を思わせつつ

主人がいない空間は本当にストレスがない生活に思えた。

主人が何を食べているのか情から

少し心配になった事もあったが

時間の経過と共に

“このまま死んでくれた方が私と子供にとって

 一番都合良いシナリオなのに…”

と思えるようになっていた。

 

DVされたのがたまたま週末だったので

週明けにいつも通り仕事に行くと

朝顔を合わせた職場の上司にすぐに

「その傷キスマークじゃないよね?

 ちょっとこっちに来て」と呼び出された。

「主人と口論になって…」と言いかけると

「警察は介入してるの?」と。

「警察は介入していません。」という私に

「とりあえず今後どうなるかわからないから

 病院受診したという証拠は残しておきなさい」

とアドバイスをくれた。

すぐに仕事を抜けて近くの病院を受診。

正直に「口論の末のDV」と伝えると

私の診療カルテにもそう書かれていた。

傷の程度や場所、痛みや変色の程度など

詳しい診察が行われ

幸い骨折はなく全治2週間の怪我と診断された。

「診断書書くかい?」と先生が言ってくれたが

診断書がどんな効力を発揮するのかわからなかったので

「今は必要ないですが、今後必要になった場合に

 書いて貰う事はできますか?」と質問すると

「いつでも書けるから大丈夫だよ」と言ってくれて

私は少し安心する事ができた。

少し調べてみると一般的に診断書はDVした側を

訴える場合に証拠となるため

警察が介入する場合は裁判を起こす場合に

必要になってくるみたい。

とりあえず私は主人次第で今後の行動を決めようと

思っていた段階だったのでこれで良かった。

 

 勝手に離婚届けを提出されないように

“離婚届不受理申請”も行ったので

勢いに任せて離婚したいと言っていた主人が

これからどう出てくるのか

私はただただ黙って様子を見るようにした。