接触の行方

 

クソ女花子に弁護士さんが接触して

減額交渉もなくすんなり示談になるように思えた。

私もこの一件がひと段落する安心からか

間違いなく精神的なストレスから

持病が悪化して近所の病院を

受診したりして過ごしていた。

いざとなれば先生に診断書を書いて貰って

これも花子に全て請求してやろうと

思ったりもしていた。

準備しておくに越した事はないもんね。

 

弁護士さんから示談交渉が進んでいると

連絡があってから数日後。

再度弁護士さんから着信が。

仕事中ですぐ出られなかったため

電話を掛け直すまでの間、久々に動悸がして

仕事どころじゃなくなった。

仕事が終わってすぐに

「どうしました!?

 何かありましたか!?」

と電話をかけると

「折り返しのお電話ありがとうございます!

 合意書は送ったので後はサインと判を押して

 返送して貰えば締結というところなんですが

 花子の旦那が最後に〇〇さん(私)の

 ご主人に一言言いたいと言って来ていて

 合意書のサインがされずに

 保留となっている状況です。」

とのこと。

私の怒りは久々に頂点に達した。

 

私は花子の旦那に接触する際に

偽名まで使って電話をして

協力するなら証拠と詳細について説明をするし

関与しないというならこの話は

なかった事にしていいと前置きをして

接触したにも関わらず

花子の旦那が最後に私の主人に一言言いたいだと!?

 

”この流れは間違いなく

 花子に洗脳されているに違いない”

そんな考えが私の脳裏をよぎったが

被害妄想かも知れないと疑心暗鬼になり

弁護士さんには

「少し考えさせて下さい。

 すぐに折り返します。」と伝えて電話を切った。

そしてすぐさま頼りのグループLINEに報告。

 

「はぁ!?今さら一言言いたいとか

 こっちも言いたい事山ほどあるわ!」

「花子が被害者ぶって、

 誘ってきたのはそっち(私の主人)だから

 もう連絡しないように言ってよ的な感じで

 旦那に言わせてるんだって!」

「残念でしたー!不倫は1人でできませーん」

「クソ女に旦那も洗脳されたな。

 ま、それは想像できたけど」

「花子が誘ってる証拠もこちら持ってますけど?」

「てゆーか言いたい事があるなら

 こっちの弁護士頼らないでテメーで弁護士雇えや」

「こっちの弁護士通して済ませようとすんな」

「とことんクソだな」

「こっちは花子に対して罪を償えって意味で

 弁護士雇って公的にやってんだから

 一言言いたいとかおこがましすぎるわ」

「本当に弁護士さんにお願いして良かったね!

 こんなバカなら話できてなかったかもね」

 

キンコンキンコンと一気に

私の考えと同じ内容が

LINEで次々と送られてくる(笑)

私の精神状態が逸脱していない事がわかって

安心したのと同時に

“本当にバカ夫婦だな!”と心から思った。

そして深呼吸して弁護士さんに電話を入れた。

 

「私も少し考えたんですが、

 私の主人に対して一言言いたいのは構いません。

 ですが私はあくまで花子に対しての

 慰謝料請求を依頼している状況ですよね。

 万が一花子の旦那が連絡した事で

 また終わった話を掘り返したと

 主人が私に手を挙げないとも言い切れません。

 そちらの夫婦は結託して

 仲良くやってるかも知れませんが

 こちらは状況が違います。

 私は主人からの暴力に備えて

 証拠を取る準備はしますが

 もし弁護士さんが花子に接触する事があれば 

 その責任についても確認して貰えますでしょうか。」

と伝えた。 

すると弁護士さんは

「もちろんです。

 〇〇さん(私)にご依頼頂いている以上

 〇〇さんに利益があるように私共は動きます。

 ですが、花子の旦那に連絡をするなとは

 強制できないのも事実なんです。」

弁護士さんがいう事ももちろんわかる。

「じゃあどうするのが一番良いでしょうか」と

質問返しをする私に弁護士さんは

少し考えた様子で

「…無視しますか!

 こっちの要求は伝えていますし

 すでに期限を設けた合意書も送付済みです。

 細かく対応する必要はありません!」

と言ってくれた。

“無視かよ!!(笑)”と

弁護士さんらしくない対応に

笑ってしまった。

 

予想外にすんなりいかずモヤモヤ…