花子の旦那と待ち合わせ

花子の旦那に電話で初接触して

次の日連絡するとの事だったが

本当に連絡が来るのか待っているだけで

時間が経つのが本当に長く感じた。

 

待ちに待った次の日を迎える。

事前に私が電話に出られる時間帯を教えていたため

きちんとその時間に折り返しの電話があった。

「こんにちは。〇〇です。

 鈴木さんに連絡しようかギリギリまで

 迷っていましたが

 鈴木さんから連絡を貰ってから

 自分なりに嫁を探ってみたんですよ。

 そしたらカレンダーに謎の印が付いていたり

 鈴木さんの旦那さんの車と思われる絵が

 描いてある手帳を見つけたりして…

 それで鈴木さんに会う決心がつきました。」

と、電話越しに言っていたので

“そもそも私は鈴木じゃねーけどな!”と思いつつ

「わかりました。

 では時間を合わせて会いますか?」と伝えると

「俺は明日でも明後日でも時間作れます」とのこと。

私も時間を作れそうだったので

「じゃあ明日の午後にしますか」と話し、

待ち合わせ場所と時間を決めてすぐに、

心の支えになっているグループLINEに報告。

友達Rとまなちゃんはすぐに

「頑張って!」

「クソ女の旦那が味方に付けばいいね!」と

応援して貰って明日に備えた。

 

そしてまた次の日。

花子の旦那との待ち合わせ場所に向かうと

花子の旦那はすでに到着していた。

「初めまして、鈴木です」と私が言うと

「初めまして」と花子の旦那も言う。

見た目は少しやんちゃそうでも目元は優しそうで

物腰も穏やかそうな旦那さんだった。

「いきなり本題でも大丈夫でしょうか?」と

私が話し始めると

「全然大丈夫です」と花子の旦那は言った。

「まず私は鈴木ではなく〇〇と申します」と言うと

花子の旦那は「えっ!」と言うので

私も「えっ?」と言うと、花子の旦那は

「すいません、嫁の口からたまに

 ご主人のお話を聞く事があったので

 まさか…と驚きました」と言っていた。

花子の旦那とうちの主人は面識はないものの

花子を通じて私の主人の事を

なんとなく知っている様子が伺えた。

そしてこちらが押さえている不倫の証拠を

全部ではないが1つずつ見せると

花子の旦那は深く「はぁー…」とため息をついて

「俺も昨日見つけたものを見せますね」と

私にスマホの写真を見せてくれた。

花子がカレンダーに付けていた印は

私の主人が浮気していると疑われる日と重なり

手帳に書かれていたという車の絵は

車種とナンバーからして私の主人の車で間違いなかった。

 

これで主人と花子の浮気が確定し、

同時に花子の旦那も自分の嫁の浮気を確信した。

そして次は“これからどう動くか”という話になるが

花子の旦那は家を空ける事が多い仕事との事で

「できる事なら早めに決着を付けたい」と言っていた。

私は「早まって動いてこちらの動きがバレて

   今以上にコソコソされるのが一番面倒なので

   動くにしても一報をお願いします」と伝えると

花子の旦那は「もちろんわかっています」と言っていた。

 

花子の旦那は自分も嫁の浮気を知って辛いはずなのに

派手目な見た目とは違って

私の気持ちを察しながら話してくれて

第一印象は悪い人ではなかった。

それをもちろんグループLINEにも報告すると

「逆切れしたりしない人で良かったね」

「ちゃんと話せて良かったね」と

友達Rとまなちゃんが言っていた。

 

私は花子の旦那ともLINEを交換し

手帳につけていた主人が夜に外出した日と

花子のカレンダーの印を照らし合わせたりして

密に情報交換をするべく連絡を取れるようにした。

決してこちらの動きを2人にバレないように

「通知音は消してください」

「私に無理に返信しなくて良いですから」と

念を押して

「2度と会う事はないかも知れませんが

 直接話ができて良かったです」と告げて

花子の旦那と別れた。

 

よし、決戦は近い。